「定期テストで高得点を取ったのに、通知表の評定が思ったより低い」――そんな経験はありませんか。現在の中学校の学習評価では、テストの点数だけで最終的な評定が決まるわけではなく、「観点別評価」と呼ばれる3つの観点を踏まえて評価が行われます。この仕組みを理解しないまま勉強を続けると、どのような力を身に付ける必要があるのかが分からず、思うように評定につながらない可能性があります。
ここでは、内申点に関わる観点別評価の3つの観点と、それぞれの評価を意識して学習するためのポイントを解説します。
2021年度から中学校で全面実施されている学習指導要領では、各教科の学習状況を「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3つの観点から評価します。各観点について評価を行い、その結果を踏まえて最終的な5段階の評定に総括されます。
そのため、定期テストの結果は重要な評価資料のひとつですが、テストの点数だけで最終的な評定が決まるわけではありません。各教科で定められた評価方法に基づき、3つの観点を踏まえて学習状況が評価されます。
「知識・技能」は、各教科で学習する知識や技能を身に付けているかを評価する観点です。定期テストや小テスト、実技、制作物など、教科や学習内容に応じたさまざまな方法で確認されます。
この観点で十分な評価につなげるには、授業で学んだ内容を理解し、必要な知識や技能を確実に身に付けることが基本です。教科書や学校のワークを活用しながら、学習した内容を繰り返し確認し、実際に問題を解いたり実技を行ったりすることが重要です。
「思考・判断・表現」は、身に付けた知識や技能を活用し、課題について考えたり判断したり、自分の考えを表現したりする力を評価する観点です。定期テストの記述問題や資料を読み取る問題、レポート、発表、話し合い、実験結果の考察など、教科や学習内容に応じたさまざまな方法で評価されます。
この観点では、用語や公式を覚えるだけでなく、それらをどのように活用するかを考えることが大切です。「なぜその答えになるのか」「どのような根拠があるのか」を説明する練習や、自分の考えを文章でまとめる練習を重ねることで、学習内容を活用する力を身に付けやすくなります。
「主体的に学習に取り組む態度」は、単に授業中によく発言することや、提出物を期限内に出すことだけを評価する観点ではありません。学習に粘り強く取り組むことや、自らの学習状況を振り返り、学習方法を調整しようとすることなどを、学習活動を通じて評価します。
そのため、振り返りや自己評価、学習計画の見直し、課題への取り組みなどが評価のための資料として活用される場合があります。重要なのは、提出物の数を増やしたり形式だけを整えたりすることではなく、学習内容を理解するためにどのような工夫をし、必要に応じて学習方法を見直しているかを意識することです。
観点別評価に対応するためには、定期テスト対策だけに集中するのではなく、日頃の授業や課題にも継続して取り組むことが大切です。知識や技能を身に付けるだけでなく、それを活用して考え、自分の言葉で説明する機会を増やすことで、「思考・判断・表現」の力も伸ばしやすくなります。
また、自分が理解できていない内容を確認し、学習方法を見直す習慣を持つことも重要です。分からない問題をそのままにせず、授業や家庭学習を通じて理解を深め、必要に応じて学習方法を調整することで、3つの観点を意識した学習につなげられます。
塾での学習は学校の評定に直接反映されるものではありませんが、学習内容への理解を深めたり、自分の考えを説明したりする力を身に付けるうえで役立つ場合があります。
塾を活用する場合は、一方的に解説を聞くだけでなく、自分で考える機会や質問する機会があるかを確認するとよいでしょう。疑問点を解消しながら学習を進め、自分の言葉で説明する練習を重ねることで、学校の授業や定期テストにも必要な理解力や表現力を身に付けやすくなります。
中学校の学習評価では、「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3つの観点を踏まえて学習状況が評価され、その結果をもとに5段階の評定に総括されます。定期テストの結果は重要ですが、テストの点数だけで最終的な評定が決まるわけではありません。
内申点につながる評定を意識するなら、知識を身に付けるだけでなく、それを活用して考え、自分の言葉で表現すること、そして自らの学習状況を振り返りながら学習方法を工夫することが大切です。3つの観点を意識し、日頃の授業や家庭学習に継続して取り組みましょう。